かずひろの野望 

高橋かずひろの公式ブログです。

まちクリエーターで宮城県栗原市に住んで分かった。まちおこしの難しさ

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栗原市住みますニートとして10月から2か月住んでいたが、まちクリエーターは一旦やめる(あくまで私とまちクリエーターの事業でやりたいこととやってほしいことがミスマッチだったためで、もめたわけではない。)

 

住んでみて思った感想としては「まちおこしクソ難しい」この一言に尽きる。

なぜ難しいと思ったのかその理由を今から述べていこう。

 

 まず、まちおこしがうまくいかない最大の原因はリーダーがいないことだ。

machicreator.jp

候補者募集のサイトを見ても「このプロジェクトで誰がリーダーなのか?」が分かりづらい。

 

 何かアイデアを形にするにしてもまちクリエイターとして行動するには役所(二階堂さん)の許可がいる。シェアハウスに一緒に住んでいる住人も実質的に拒否権を持っている。

 結局、日常的に住んでいる住民は僕と住みます芸人しかいないので、まちクリエーターのメンバーは当たり障りのないイベントを一か月に一回ペースで開いたり壁新聞作ったりが限界になっている。イベント作戦って簡単で誰でもすぐ思いつくけど実は難しい。

 なぜか?栗原市は田舎のまちの割にはイベントが多いのだ。私が暮らした10月と11月だけでどれだけイベントがあったか思い返してみる。

 

10月6日

 まちクリエイターの住んでいる拠点の裏のお寺で晋山式(お坊さんがランクアップする儀式)がありまちクリエイターも焼き鳥を焼いた。私も焼き鳥を焼く作業を手伝った。

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kazushock.hatenadiary.jp

 

10月20日21日

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近くの平野神社でお祭りがあった。

 20日は住んでいた地域の周りから神楽の保存会が集まって(岩手からも神楽の保存会が来た)みんなで交代しながら神楽を一日中踊っていた。ながく見ていたかったがこの日はまちクリエイターのメンバーがトークショーをするのでその準備を手伝った。

 

 21日はお祭りの花形であるおみこしを担ぐことに、本格的な和装をする。さらしを人生で初めてまいた。地下足袋も人生初。田舎のお祭りは初めてだったけど開放的な気分は新鮮だった。あと料理もうまい。小野寺防衛大臣も来た。

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11月4日

くりでんミュージアムくりはら田園鉄道の跡地の博物館)でお祭り。豚汁がふるまわれた。地元出身の演歌歌手、遠藤じろうさんがステージで歌っていた。


 11月11日

栗原ハーフマラソン大会

一緒に住んでいた吉本芸人が出場していた。私も出たかったが申し込み期限を過ぎていた。時すでに遅し

 

ご覧の通り意外と地元にイベントがあるわけです。

 

それに対してまちクリエーターの企画したイベントはダンスイベントとトークショーが二回、アートイベントとお寺でのコンサート、まちクリエーターのハンドパン演奏家が演奏会を開いたりしていた。

profile.ameba.jp

 

 まちクリエーターのイベントの集客力はまあまあといった感じである。ダンスイベントはチケットの予約をやっていたんで集まりが良かったが、他のイベントは人の集まりはまあまあといった感じ、その分のんびりできていいんだけど私がイベントの主催だったらがっくりきて一日ぐらい落ち込んでたと思う。まちクリエイターでイベントをやって人が集まりづらい理由は地元のイベントとバッティングしてしまうことだ。クオリティが同じぐらいの二つのイベントがあって、一つが知り合いがやっていたら知り合いがやっているイベントの方に行く。それが人間だ。

 まちクリエーターのイベンターとしての腕はみんなそこそこうまい。絵が描けたり、DJを呼んできてくれたり、楽器が弾けたりとみんなクリエーターらしい能力を持っている。

 でもなんていうか?まちおこしとして考えた時にう~んとなる要素がある。言語化すると「まちクリエーター同士は仲がいいけどまちクリエーターと地元の人とはあんまり仲が良くないんじゃないのか?」っていうわけで、イベントにしろ壁新聞にしろ当たり障りのないように企画、実行している感がある。もちろん楽しいことは楽しいのだし、みんな労力を注ぎ込んでいる事は分かるけど、「県外からわざわざイベントに参加したいか?」「県外からわざわざ注目を向けるか?」って考えるとう~んってなる。

まちクリエーターだけで頑張ってもまちクリエーターはうまくいかないし、地元だけで頑張ってもうまくいかないからまちクリエーターという制度ができたわけであるが、この二つの接点があんまりない。それどころか接点が増えづらい。例えば近所の人に余った食器をゆずってもらう交渉をしてもすぐにLINEで「おいちょっと待ってくれ」と来るし、これではいつまでたっても地元の人とは世間話ぐらいしかできない。これはすごく大事なことだと思ったので改めて書くが「地元の人が困っていてまちおこしをすることになったのは理解できる。しかし、まちおこしをやりによそから来る人も別の意味で困っている。」

 これだけは言っておきたい、まちクリエーターがいつか本当の意味で栗原を盛り上げる日が来ると信じて、

 

 栗原では自然薯がとれるし、キックオフ合宿で見に行った伊豆沼も夏はハスが満開になるし冬は白鳥が飛んでくる。

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白鳥は沼から田んぼの方へえさを求めて動くので本当に近くで見れる。でも近くで見るとちょっとこわい。栗原にはいいところがいっぱいある。でも野鳥にしても栗原に住んで初めの一週間は「ああ珍しい!!」とテンションが上がっても段々慣れてくると都会人にとってのスズメやハトと同じぐらいになってくる。(住んでいたシェアハウスにコウモリが入ってきた時はさすがにビビった。)それでも初めの「珍しい」とテンションが上がっていた時の気分を理解できないと文化を作ることはできない。文化とは内側で楽しむものであると同時に外へ発信していくものでもあるから。

 

 まあいろいろと大変でしたがまちおこしの勉強にはなりました。栗原にしばらく住んで虫耐性があることも分かりましたし、体力とは別にどこでも寝られる、だれとでもコミュニケーションとる。といった「生きる力」はついたなあって自画自賛してる次第であります。