かずひろの野望 

高橋かずひろの公式ブログです。

書評「ビジネスモデル症候群」ビジコンが増えても起業家が増えないわけ

 ビジネスモデルコンテストっていろいろ開かれてるけど果たして起業家って増えてるの?

 

 だれでも一度は、考えたことがあるのではないだろうか?

 

 「ビジネスモデル症候群」という本がこの疑問に答えを出してくれた。

 

 肝心の結論は「ビジコンをやっても起業家の増減にはあんまり効果がない」とのこと

 

第2-1-1図 起業の担い手の推移

 

 これは総務省の出したデータを見やすく加工したグラフで、中小企業庁のサイトにあったものを拝借してきた。元ネタが見たい人はこちらからどうぞ

www.chusho.meti.go.jp

 

 これによると起業希望者や起業準備者は激しいアップダウンがあるが、実際に会社を起業した人はバブルがはじけようがリーマンショックが起ころうがあまり変化しないことが分かる。

 

 つまりビジコンの回数が増えても起業家の人数には影響がないのだ。

 

 この本によると「ビジネスモデルを作れば作るほど起業が失敗する確率が高くなる」そうだ。

 

その仕組みを以下のように説明している。 

  • 実際に起業しないうちから、細かい計画(ビジネスモデル)を立ててしまうので小回りが利かなくなる。
  • ビジネスモデルを作っている時には「うまくいく要素」しか目に入らないので都合の悪い事実は見落としがち。自分で自分の脳をだましてしまう。

 

 起業する前に作る計画であるはずの「ビジネスモデル」に固執してしまうのが原因のようだ。

 

起業塾と名のつくところに通っていたので痛いほどわかる。

 

kazushock.hatenadiary.jp

 

メンターと呼ばれるプレゼンにツッコミを入れる人にあら捜しされないようなビジネスモデルを作っていくうちにだんだんとビジネスモデル症候群になっていく。

 

 

 ではどうすればいいかと言うと

 

 

 

成功、失敗の二択で判断するのをやめて、

成功(理想が実現した場合)

成功前(経営は続いているがまだ理想は達成されていない)

失敗(経営が失敗した)

 

この三つの中から(だいたい成功前になると思いますが、)失敗にならないようにしながら成功を目指していくのが良いそうだ。

 

 つまり持久戦や総力戦のイメージです。ビジコンはどうしても一回きりのイベントなんで参加者もメンターも短期決戦型の考え方になってしまいます。

 

倒れないように動く。アイデアにこだわり過ぎない。大事な事なんだけどなかなか実行しにくい。良薬は口に苦しというやつです。この本もっと有名になってもいいと思うんだけどなあ。。